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  • tsunemichiaoki

経営者は決算書を読み解けなくてもいい?

決算書

本日もセミナービジネス研究所の記事をご覧いただきありがとうございます。あらゆる経営者の方が事業を発展させていく上で、セミナー展開の価値、メリットを感じていただくために、セミナー展開で御社の事業あるいは経営者であるあなた自身のアピールをしていただきたいと考えております。

そのために、セミナー展開をどのように行っていけばよいか、という基本をお伝えするため、そしてご参考になるのでは、という記事を書き連ねております。



前回は、医師、ホスピス医の教えとして、死ぬ間際に多くの方が後悔することについてお伝えいたしました。経営者に限らずすべての人が意識すべき大事なことだと思っているのですが、特に経営者の方には大事にしていただきたいと思っています。そして経営者の方を意識するともう少しお伝えしたいことが出てきていますので、今回はそこに踏み込みたいと思います。


それでは今回の本文をどうぞ。





第1章  決算書って何?


さすがにこのタイトルは読者の方に失礼であることは承知しております。

ですが、B/S、P/Lに対してどのような思いを持って、それをどのように経営に活用していますか、とお聞きしたらいかがでしょうか。

それであればこれこれしかじかで、こんな状況にあってこのような見方をしていて、将来の姿としてはこのように持っていきたいと考えています、と答えられる経営者が何割ぐらいおられるものでしょうか。


もちろん上場企業の経営者の方には愚問であることは百も承知ですが、個人事業主の方々まで経営者という枠組みを広げていけば、この質問勘弁して、という経営者にはやはりいきあたる、というのが世の中の状況ではないでしょうか。



決算書は経営者にとっての通信簿。



という表現を目にされた、耳にされたことは多くの方があるのではないでしょうか。


社員の評価の際には業務プロセスまで見ていくことは大事ですが、経営者の評価は、なんのかんの言っても最後の結果です。


その結果が決算書です。


1年間という事業年度の中で何を狙ってどこまでその成果が出たか。

隠しだてのしようもない、真実の姿がそこにはあります。


そのことをしっかり認識した経営は、経営者にとっての基本ではありますが、ちょっと疎かになっている経営者にも出会わないわけではありません。


あなたは明快に違う、ということであればこの先については時間の無駄ですので、どうぞ本来業務にお戻りください。


いや、わかってはいるけれど、少々痛いところ突かれたな、とお感じになる方はもう少しお付き合いください。




第2章  区切りはどのように意識していますか?


言わずとも当たり前のことではありますが、今回の内容は上場企業の経営者の方々のことは全く意識しておりません。上場企業の管理職クラスの方には多少は役立つかな、という思いはありますが、基本路線として、中小企業のIPOなど考えたこともない経営者層の方々を意識してお伝えする部分ですので、その点はどうぞ理解をいただければと思います。


第1章では、B/S、P/Lのまずは出発点のところから目合わせのような形で始めさせていただきました。

経営者にとっての1年間の通信簿、ということだったわけですが、さすがに1年間評価の状況が全くわからず、いざ蓋を開けてみれば・・・

ということでは企業経営を考えればならないわけで、ここでは区切り及び途中段階での評価、ということに踏み込んでいきます。


端的に言えば、半期、四半期での決算書あるいは推移表をどのように読み解いていますか、ということになります。

更には月次決算にどのように向き合っていますか、ということでもあります。


さすがに日々の決算資料が出てくるシステムになっていて、それをチェックしています、という経営者の方であればこの記事に興味を持つ、ということはまずないでしょうからそこまでは含めませんが、見るべきポイントさえ押さえれば、月次の資料を見る、ということが経営管理の上では相当高いウェイトを占めるものになっていると思います。


月次を見ておけば、四半期は特に気にする必要はなし、というのが私のスタンスです。上場企業は違いますが、中小企業で非上場の企業であれば、四半期決算の状況を説明する相手がいませんから、役員会で月次決算の状況を踏まえた議論検討をしていれば最低限の部分はクリアしているという考えです。


半期も同様に考えて良いことになります。

その組織の経営管理が半期決算を重要視するのであれば、上半期の総括と下半期に向けての対処方針、必要な微修正を行ったうえで全社説明、というプロセスを構築されておられることでしょう。



一方で、今までそのような区切りや誰に対する説明責任を負っているか、ということをあまり意識されておられない経営者の方であれば、細かい管理を行っている経営者が多数いる、という現実を受け止めていただければと思います。




第3章  お金のことは税理士におまかせではダメなの?


実話です。

ある中小企業経営者団体の集まりで遭遇したことになります。

その場にいるのは当たり前ですが全員経営者です。


そしてそこにおいて、


「決算書について税理士さん任せにしている人はいますか?正直に教えて下さい」


という質問が投げかけられました。



真面目に皆が課題に向き合う場のある意味、経営者にとっての真剣勝負の場なので、その場で取り繕うこと、嘘をついてしまうことは許されない状況と思ってください。



その結果として、先ほどの質問に対して、どのような行動がその場であらわれたか。


なんと、複数名それも片手では収まりきれないくらいの経営者の手が挙がったのです。



もちろん謙虚な方もおられるでしょうから、それなりに分かっていても十分とは言い切れないので税理士さん任せということかな、と思って手を挙げたという方もおられたかもしれません。


ですが、本当に税理士の方に丸投げ状態、というような感じの方もいらしたことは事実です。



これがその地域の特性、あるいはその団体に集まっている方の特性、ということと言い切れるでしょうか。

私はそうは感じませんでした。


2代目経営者の方で下積み期間が短く、末端のことまで理解が深まらないうちに社長就任となってしまった、という方もおられるかもしれません。


とはいえ、一人や二人ではない人数の手が挙がったということは衝撃でした。




技術や現場のことであれば誰にも負けない絶大なる自信があるのだが・・・


では残念ながら経営者は務まりません。


第1章で記した、決算書は経営者にとっての通信簿、という意識があれば、少なくとも顧問税理士から自社の決算書の状況についてわからない部分があれば聞く、というスタンスが当然求められます。


もう少し踏み込めば、過去の決算書の分析を税理士の方はどのように行っているのかということを聞いてみたくなるというのが経営者心理ではないでしょうか。




とは言え、ずっと役員であったためいざ社長になった段階で改めてそのようなことを聞くのは憚られる、というお気持ちも芽生えるかもしれません。


ですが、繰り返します。

決算書は経営者にとっての通信簿です。


ただ単にその通信簿で結果を聞き、認識するだけでは、この先の経営に反映させるという意味では不十分です。


決算書において、どこは強いがどこが弱い、税務面から見てそれを意識する経営を行うことは決して無駄にはなりません。


無事決算が終われればよい、ではなく、あるべき決算の姿、ということまで含めた税理士の方とのブレストを行うことをぜひ考えましょう。


会社経営において、税理士の方は貴重なリソースです。

自社内だけではわからない外部の客観的視点による経営へのインプット情報を色々得られるはずです。





第4章  事業計画と目標設定


経営者であれば誰でも自社の成長と発展を導き出したいと考えるものです。

事業の素晴らしい種を見つけてきたら、経営者であれば誰でもそこに全力投球したくなるものです。


ですが、経営は利潤追求の場である一方、リスクコントロールも必須の場です。


自社の成長、経営のステージに合わせた事業計画、目標設定、そしてリスク管理を考えなければなりません。




生まれたばかりのベンチャーで、積極的にリスクを取って事業を倍々ゲームのように伸ばしていく時期なのか、急成長を遂げたが継続に不安定な部分があるので、今は成長を狙うよりも足元を固める時期なのか。


B/S、P/Lがどのような状態にあるかもここでは当然つながってきます。


日本企業は世界の企業に比べてROEのレベルが低すぎる、という話をお聞きになったことがありでしょうか。

内部留保として現預金をたくさん持っていて、安定していると言えば聞こえはよいものの、リスクを取って事業成長に向けてのチャレンジをしていない、ということへの警鐘です。


現預金がある、内部留保が厚い、という状況であれば経営状態は基本的には問題ない、と言える可能性が高くなります。

さらにそれに加えてP/Lの状況が問題なければ私からすれば、それは新しい事業を始める絶好の機会に思えます。

なぜならば、もしその新事業が失敗に終わっても、会社の存続、という点ではまだまだ余裕があるはずだからです。


もう少し踏み込んで言うならば、たとえP/Lが赤字であっても、です。


ですがもしP/Lだけしか見ていなければ、新規事業の芽を見出したとしても、赤字故にとても手出しできない、ということになってしまいませんか。


決算書をB/SとP/Lをセットで見て、事業計画を検討し、目標設定をしていく。

あくまで基本原理の触りの部分だけのご説明ですが、両者は切っても切り離せないもの、ということは感じていただけると思います。





第5章  経営者にとっていつでも基本にあるのが決算書


最後に、ここまでの総まとめをしたいと思います。



「決算書は経営者にとっての通信簿」



というフレーズを第1章で掲げました。



社員の評価はプロセス重視で構いませんが、経営者は結果での評価です。

その結果を最も端的に表すのが決算書です。


単なる健康診断の結果ではなく、強み弱み、更には複数年の決算書を比較評価すれば傾向もわかることによって、手の打ちようは更に増えます。


複数年の決算書比較は最低5年。できれば10年分の決算書を手元に置いてしていただきたいのです。もちろん簡単にはできません。時間も必要です。


ですがそれにかける労力に見合うリターンは得られること間違いありません。

どうぞ、日常業務から離れることができる土日にでもじっくり時間をとって、自社の過去の決算書に向き合ってみてください。


一人でも多くの経営者の方の、さらなる奮闘を願っております。


(了)

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