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  • tsunemichiaoki

サービス業を営む経営者が、セミナーを開催するメリット

更新日:5月8日

サービス業でのセミナー展開

セミナービジネス研究所の記事をご覧いただきありがとうございます。あらゆる経営者の方が事業を発展させていく上で、セミナー展開の価値、メリットを感じていただくために、セミナー展開で御社の事業あるいは経営者であるあなた自身のアピールをしていただきたいと考えております。

そのために、セミナー展開をどのように行っていけばよいか、という基本をお伝えするための記事を書き連ねております。

 

前回は、講師デビュー物語をお届けしました。この先もあのような文章を書き記していきたいと思います。ご感想お寄せいただければ大変嬉しく存じます。

さて、3回ほど、講師デビューということに焦点を合わせた記事をお届けしましたが、今回は、それ以前の内容と近しいですが、経営の一助となるセミナー展開について、サービス業の方を意識した内容の記事になります。

セミナービジネス研究所ではあらゆる業種業態に対応したサービス提供をさせていただいておりますが、特にその中でもサービス業の方々はセミナー展開の価値が大きいと感じていることがその背景にあるからです。

 

まずなぜサービス業なのか、という点からスタートしましょう。


サービス業は、商品を製造(建設・建築も含めて)・販売する業種と比べて、顧客との接点が多く、直接的なコミュニケーションがより容易に可能です。しかしながら、そうは言ってもお客様の方でも単なる売り込み、営業への抵抗感は持っています。下手をすると全くお客様との接点を持てない状態が続き売上低迷、ということにもなりかねません。


そのためにセミナーを開催することで、自社の商品やサービスを、売り込み感を抑えた形でアピールすることを常に意識しておくべきと考えるからです。



今回の記事構成は以下の内容で、サービス業の方々がセミナー展開を行っていくメリットを論じております。


 

1.     新規顧客の獲得につながる

 1.1      自社のサービスの強みや特徴を明確にする

 1.2      ターゲット顧客のニーズや課題を把握する

 1.3      説得力のあるストーリーや事例を盛り込む

 1.4      参加者の行動を促す

 1.5      具体的なセミナーコンテンツの例

2. 既存顧客との信頼関係を強化する    

 2.1      自社のサービスの強みや特徴を明確にする

 2.2      ターゲット顧客のニーズや課題を把握する

 2.3      既存顧客との関係性を深める内容にする

 2.4      具体的なセミナーコンテンツの例

3. 社員のスキルアップにつながる       

 3.1      知識やスキルの習得

 3.2      コミュニケーション能力の向上

4. ブランディングにつながる     

 4.1      セミナーを通じて自社ブランドイメージを高める

 4.2      参加者の口コミを通じて自社の知名度を高める

 



それでは本文をどうぞ。





 

1. 新規顧客の獲得につながる


セミナーは、自社のサービスを知らない潜在顧客に直接アピールできる絶好の機会です。セミナーで自社のサービスの魅力や価値を効果的に伝えることができれば、新規顧客の獲得につながる可能性が大いに高まります。また、セミナー展開によって、顧客のニーズや課題を直接聞くことができる可能性も生まれます。商品、サービスの改善のきっかけを掴むことにも繋がる可能性が大です。


例えば、美容院が「最新のヘアスタイルのトレンド」や「肌のトラブルの予防と対処法」などのセミナー開催を企画してみることを考えてみましょう。


美容院はただ単に髪をカットする場ではないことは、どなたであってもお感じのはずです。一つプラスアルファのことをすることによって、お客様とのパイプを太くすることに繋がることがイメージできるのではないかと思います。その門戸を既存のお客様だけでなく、新規のお客様に向ける努力をすれば、好循環が生まれるきっかけになります。

以下ではさらにこの部分を深掘りしていきます。

 

1.1  自社のサービスの強みや特徴を明確にする

セミナー展開を考える上で、多くの方がまずはお客様のニーズを確認しよう、聞こうと思われるかもしれません。それはとても大事なことではありますが、その前にしなければならないもっと大事なことがあります。


そうです。自社のサービスの強みや特徴を明確にすることが何よりもはじめに取り組む必要があることです。

自分たちは何を強みとして商売をしてきたのか。お客様にはどのような点が評価されてきたのか。あなた、あるいはあなたの会社だからこそ、という何かがそこには必ずあるのです。


そのことを認識できていれば、次のステップに進んで問題ありませんが、もしここで何かすんなりと行けない思いを持たれるようであれば、時間をとってしっかりご自身、そして自社に向き合いましょう。


自社のサービスが他社と異なる価値を提供できている部分は一体何か。簡単なようで意外と難しい問いかもしれません。

 

1.2  ターゲット顧客のニーズや課題を把握する

セミナーに参加するターゲット顧客のニーズや課題を把握することがまずはセミナー展開を考える上での出発点です。そもそも自社の商品、サービスの魅力や価値が何なのか。この問いは、簡単なようで意外と難しいケースがあります。まずここにしっかり向き合って、自社の強みが何かをしっかり押させておきましょう。

その上で、それらをターゲット顧客伝えていくためのセミナー展開の具体的な検討に入ってきます。


次に取り組むべきことは、顧客のニーズや課題は何か、という問いへの取り組みです。

かつてここは調査したことがあるからわかっている、という方もおられるでしょう。

ですが、その調査はいつ行われたものですか。お客様は世の中の変化、進化に合わせるようにどんどん変わっていきます。

その変化に応じたお客様のニーズ及び課題をしっかり捉えることができれば、あとはそれをどのように解決していくことができるかを考えれば良いことになります。


そこまで進むと、何をセミナーでアピールしていけばよいのかが明確になります。

例えば、美容院がセミナーを開催する場合、ターゲット顧客を「美容に関心のある30代の女性」としましょうか。それらの方々のニーズや課題を把握するためには、ネットで流れている情報にアクセスする方法も一つの策ではありますが、既存のお客様に直接お願いしてアンケート調査やインタビューなどが実施できるとより具体的な情報を集めることができます。

時間とお金に限りがある中で、どこまでの情報収集、調査ができるかもよく検討しましょう。


前述の活動ができれば、何らかの情報を得ることができるはずです。


その結果を踏まえて、例えば「最新トレンドから考えるあなたの髪質似合ったヘアスタイルは」とか「冬場(夏場など)の肌のトラブル予防と対処法」などのセミナーテーマを考えることができます。

この検討の中から、これであれば今の顧客(潜在顧客を含めて)の興味関心を引くことができるであろう、というものを見つけていきます。

 

1.3  説得力のあるストーリーや事例を盛り込む

自社の強みを再確認し、顧客のニーズ、課題の調査が進めば、次はセミナー展開の具体的な内容検討に入っていきます。


ターゲット顧客の共感を得られる説得力のあるストーリーや事例を盛り込むことで、自社のサービスの魅力や価値をより効果的に伝えることができるようになります。

文字や絵を工夫してわかりやすい資料を作成していくことも大事ですが、何よりも充実させたいのは提供する価値そのものです。その上でそれを補強する具体例です。


先程の美容院の例で考えれば、自分に合ったヘアスタイルが見つけられた、という実際のお客様の協力が得られれば、インタビュー内容を文字にしたり、あるいは写真を撮らせていただいてそれをセミナーで活用したり、という展開が考えられます。

 

1.4  参加者の行動を促す

これはセミナー開催時のテクニックの話になりますが、セミナーの最後に、参加者の行動を促すような内容や提案を盛り込むことは意識した上で企画立案を進めましょう。


人間はなかなかすべてを自分自身で決断することはできません。

何らかの後押しが欲しいというケースがほとんどです。

その行動につなげる何かをセミナーの最後に入れることで、自社にとっての得たいセミナーでの成果に繋がっていきます。


例えば、飲食店がセミナーを開催する場合、セミナーで紹介した料理を実際に作ってもらうためのレシピや、来店時の割引クーポンをつけることで、自社サービスへのコミュニケーションを図るきっかけを作ったり、利用機会を生み出したりすることになるでしょう。

 

1.5  具体的なセミナーコンテンツの例

講演型セミナー:講師を招いて、自社のサービスの魅力や価値を解説するセミナーです。


ワークショップ型セミナー:参加者が自ら体験しながら、自社のサービスの魅力や価値を理解するセミナーです。


体験型セミナー:自社のサービスを実際に体験できるセミナーです。

セミナーの目的やターゲット顧客に合わせて、最適なコンテンツを作成しましょう。



 

2.   既存顧客との信頼関係を強化する


新規顧客に関する説明から今回始めていますが、多くの方がご認識の通り、新規顧客の獲得は大変労力がかかるものであり、まず真っ先に大事にすべきは既存顧客とのさらなるパイプの強化です。


既存顧客向けのセミナーは、コミュニケーションをより一層深める機会にもなります。既存顧客との関係性を維持・強化することは安定した経営状態の維持のためには大変重要で、そのための方策の一つとしてセミナー展開を取り入れると良いのです。


例えば、レストランがが「季節の料理の紹介」や「食材の選び方」などの自社のこだわりを伝えるセミナーをシェフ自らが講師となって開催すれば、既存顧客の来店頻度を高める可能性を感じていただけるのではないでしょうか。

また、不動産会社が「住宅購入後の長く使うためのメンテナンスの注意点」や「賃貸契約後の大家さんと仲良くやっていく秘訣」などのセミナーを開催すれば、既存顧客からとのパイプ強化に繋がります。


以下でさらに深掘りしていきましょう。


 

2.1    自社のサービスの強みや特徴を明確にする

これは前述(1.1)と基本的には同じです。

自社の強みをとにかく深掘りする。このことをいつでも忘れずに意識しましょう。

 

2.2    ターゲット顧客のニーズや課題を把握する

ここも前述(1.2)と同じではありますが、既存顧客向けということを考えた際には、できるだけその想定顧客層の絞り込みをしましょう。


前述の1.2ではターゲット顧客を「美容に関心のある30代の女性」としましたが、これでは実はまだ絞り込みは甘い状態です。

 

30代前半なのか、後半なのか。その方は仕事をされている方なのか、専業主婦の方なのか。美容にとても関心の高い方なのか、一般レベルの方なのか。美容にかけるお金は月にいくら位なのか。

という感じでどんどん絞り込みを行っていきます。


その上で、そのターゲット顧客のニーズや課題を把握していくことができれば、とても尖った商品、サービスの開発に繋げていくことができあます。

 

2.3    既存顧客との関係性を深める内容にする

ここでお勧めの手法は、参加者からのフィードバックを取り入れるということです。簡単に言えば、お客様から不平不満を聞き出す、ということです。関係性が出来上がっていないと、なかなか人は面と向かって相手に対する不平不満を口にすることはありません。

そこをじっくりと聞くことです。                                                

 

セミナー展開を行うメリットには、参加した既存顧客側も、直接言うのははばかられても、セミナーアンケートのような(特に無記名式)ものであれば意外と本音を出すことができたりします。大事な機会と認識しておいてください。

 

2.4    具体的なセミナーコンテンツの例

これは前述(1.5)と同様ですので割愛します。

 



3. 社員のスキルアップにつながる


セミナーを開催するためには、自社のサービスを深く理解し、わかりやすく伝えるスキルが必要です。だれが講師を務めるのか、教材資料類の作成は誰が行うのか、ということにもよりますが、セミナーの開催を通じて、社員さんのスキルアップを図ることができるのは間違いありません。


サービス業は、顧客に直接サービスを提供することが基本ですから、社員さんのスキルがサービスの質に大きく影響します。セミナーを開催することで、なぜ社員のスキルアップにつながり、ひいてはそれがよりよいサービスを提供、顧客満足度の向上につながるのかを紐解いていきます。

 

3.1    知識やスキルの習得

講師としての活動ができれば、それは何よりも知識やスキルの習得に繋がりますが、なかなかそれはハードルが高いもので、経営者の方以外が講師になることはセミナー展開を開始した当初では難しいと思います。


ここではあくまで講師は経営者が行うことを前提に、社員さんはセミナーの準備活動を通じて、自社の事業やサービスに関する知識やスキルを深めることができる、という点について論じていきます。

 

セミナーの準備を行う際には、自社の事業やサービスに関する知識やスキルを整理することから始めることは、ここまでお読みいただいた方であれば自明のことと思います。経営者の方であれば簡単なことではありますが、実は社員さんにとってはハードルが高いケースがあります。


わかりやすく相手の方に伝える、ということを意識すると、何をどのように表現すればよいのか、ということにはたと困る場合があるのです。


この作業を通じて、自社の事業やサービスに対して、どこまでは理解できているが、この部分は理解が甘いな、と感じることができれば、それはとても貴重な成長の機会です。


わからないことがわかる。


大事にしましょう。

 

3.2    コミュニケーション能力の向上

セミナーは準備がとても大事で、そこが成功していればもう半分以上の道のりを来たとも言えますが、そうはいっても当日の対応も大事です。

特に参加者と交流をどのように生み出し、効果的に行っていくかは講師だけが対応すれば良いわけではありません。そうなると関わる社員さんすべての頑張りが影響してくることになります。コミュニケーション能力です。


講師のようなやり取りができなくても、まずは参加された方への気持ちのよい挨拶、御礼の言葉を言えるかどうかが分岐点です。あまりにも基本的すぎて全社員が問題なくできるだろう、と経営者の方が過信してしまうと足元を掬われる可能性があります。問題ないかどうか確認しよう、という姿勢は忘れずにいてください。

    


                                                                                        

4. ブランディングにつながる


セミナーは、自社の専門性や知見をアピールする大変素晴らしい機会です。その機会を通じて自社のブランディングを強化することができます。

   

4.1    セミナーを通じて自社ブランドイメージを高める

セミナーは、自社の強みや特徴をアピールする絶好の機会です。セミナーのテーマや内容、講師の選定、会場の雰囲気など、さまざまな要素を工夫することで、自社のブランドイメージを高めることができます。具体的には、以下の点に注意するとよいでしょう。


セミナーのテーマや内容を決める際には、繰り返しですが自社の強みや特徴を明確にします。

自社の強みや特徴を活かしたセミナーを開催することで、参加者に自社の魅力を印象づけることができます。


遠慮なく自社自慢をするつもりでセミナーの企画をしたいものです。


セミナーの講師は、自社の強みや特徴をアピールできる人材が必要です。経営者よりも場合によっては担当者が講師になったほうがより顧客にインパクトを与えることができる場合もあります。講師を務める人の専門性や経験、人柄などが、セミナーの質や参加者の満足度に大きく影響します。

 

4.2    参加者の口コミを通じて自社の知名度を高める

セミナーに参加した人が、自社の魅力を口コミで広めてくれることは、ブランディングにとても大きくつながります。


第三者による評価、それもポジティブな評価ほど勝ちがあるものはありません。セミナーの参加者が他の人に、良かったからあなたも自分で実際に足を運んでみれば、というような口コミをしてくださる顧客には大いに感謝をしていくことが大事です。


口コミをどのように巻き起こしていくか。誠心誠意セミナーを開催する、ということが基本ですが、それ以外に仕組みをつくることも大事です。


その一つが参加者へのフォローアップです。


セミナーの後に、セミナーで学んだことを活用するためのアドバイスやサポートを提供することで、参加者からの信頼を獲得することができます。


最後に、情報漏洩に注意しながらセミナーコンテンツを作ることも忘れてはなりません。自社のノウハウや機密情報などが流出すると、企業の信用や信頼を損なう可能性があります。資料類を作成する際の著作権侵害に注意しましょう。

さらに、セミナーの録音や録画を禁止するということも基本事項として押さえておきましょう。


また、情報漏洩が発生した場合は、迅速かつ適切に対応することも重要です。情報漏洩の原因を調査し、再発防止策を講じなければなりません。

 

 


【まとめ】


サービス業を営む経営者が、セミナーを開催するメリットについて今回はまとめてみました。

サービス業の会社がセミナー展開を図ることで、既存顧客との信頼関係の強化や新規顧客の獲得、社員のスキルアップ、ブランディングなど、さまざまなメリットを得ることができることをご理解いただけたのではないかと思います。


今回の内容ではまだまだ抽象的な部分が多く、自社にどのように活かせばよいかピンとこない、とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。


セミナーを効果的に開催するためには、以前の記事でもお伝えしたように、ターゲットを明確にし、目的を定め、内容を充実させ、集客を工夫し、価値提供を心がけることが重要ということですが、その手法、実施方法はひとつではありません。様々なやり方があり、何が良いかは試行錯誤を繰り返していくしかないのです。


ですが、PRの方法も多種多様なやり方がある中で、セミナー展開を通じてお客様との関係をより豊かなものにしていくやり方は、ネット社会が進んだ今だからこそ、大事に考えていただきたいのです。

単なる表面的なうわべだけのお付き合いではなく、しっかりとした信頼関係、人間関係に基づく商売を行う必要があるサービス業の経営者の方であればよりその重要性はお感じのことと思います。


 

今回はあくまで基本的部分の情報提供をさせていただきました。この先は、それぞれの企業での戦略に基づく独自検討、対応をしていく部分になります。

基本を踏まえた上での実践は経営者の方であればお得意の部分であるでしょうし、そこには経営者の方の個性をどんどん出していただきたい、いえ、出していくべき部分です。


御社の成長、発展につながることを願っております。

 

 

(了)

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